はぐ、と。
「うひ」
WIZの腕の中にすっぽり納まっているシーフはくすぐったそうに声を上げた。シャツの襟首を引っ張ると日に焼けていない首筋に柔らかく噛み付く。
「ん」
ぎうと抱き締めるとシフが足をパタパタと動かして僅かに抵抗を見せた、しかし足も使って身体を固定するとそれもできないようで、ただシーフはくすぐったそうに噛み殺した笑い声だけを上げていた。
古都の街のざわめきが窓から風に乗って部屋へ入ってくる。ここが3階で良かったとWIZは思った。流石に人が見ているようなところでこれはできない。
「なに、歯、痒いの」
くすくす笑う声がWIZの耳に届いて、WIZは唇を尖らせ「俺は今ウルフじゃないっつの」と抗議した。またシーフがくすくす笑った。
もう一度シーフの首筋に甘噛みすると、シーフは腕のプロテクターを外しながら笑う。
「明日はどこ行こうか」
「メインクエスト行こう、手伝うから」
「見に行きたい露店があるんだ、明日でもやってるかな」
「きっとやってるさ」
「晩ご飯は何食べようか」
「君」
WIZは唇を滑らせるとシーフの耳に齧り付いた。シーフは再び「うひ」と色気の無い声を上げた。
「シャワーは」
「いらないんじゃないか?」
「汗かいてるよ」
「良い匂いだけど?」
「血も付いてると思うけど」
「ご希望とあらば舐め取ってあげてもいいけど?」
すでにシャツの中に滑り込んでいる手が、ダメ、と言っているように。
むぅ、とシーフが唇を尖らせた。
「せめてシャワー」
「往生際が悪いな」
体勢を反転させてシーフを自分の下に組み敷く。ベッドの上で幸いだっただろう。
「だめなもんは、だめ」
「ちぇ」
シーフは小さく舌打ちをした。WIZは面白そうに笑うと、腰に巻いてあったポーションの入っているベルトを外した。
「そういう覚悟で、よろ」
屈みこんでWIZはシーフにくちづけた。
「起きてからのことは起きてから考えよう?」
お☆初 WIZシフ。WIZのキャラが掴めん…わからん。
さあて寝るか。明日はバイトじゃ。しかも昼って…こんな時間にも営業してるのかウチの店。ねーみーー
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