ベッドの上に胡坐をかいて座っていると戦士がくちづけてきた。
「邪魔が入ったな」
戦士は俺をベッドに押し倒した。俺の頭を抱え込むようにして深くくちづけてくる。俺の唇をひと舐めしてから離れると、今度は俺の下半身に顔を近づけた。ベルトを外す音が聞こえて、俺が焦って身体を起こすと戦士に制された。視線だけで「動くな」と言われているようだった。それでもこんなこと、黙っていられるわけが…
戦士が俺のを取り出して、至近距離でまじまじと見つめた。そんな視線に耐えられなくて、俺はぎゅっと目を閉じた。
「ァ」
何か温かい物が俺に絡みつくのが分かった。それが何なのか、想像もつかない。恐る恐る目を開いて戦士に向けたが、その直後俺は後悔した。
後悔は両方だ。それを見たことも、この行為を許可したのも。
「ッ、ぅあ」
戦士の口内に咥え込まれた。あまりの気持ちよさに声が出るのを止められない。背筋がぞくぞくして、舌が掠めるたびに仰け反ってしまう。気づけば俺は身体を起こしていた。戦士の肩にしがみついて、身体の震えを止めようとしたができない。気持ちよさとなんだか分からない切なさに抵抗できずに俺は涙を零していた。
「はぁ、ア…待て、待てって…ッ!嫌だ、戦士、もう」
腰がずくんと重くなるのが分かった。情けないことに俺はもう限界になっていた。戦士の口内に引き入れられてから、まだ数分しか経っていない。
「あぅ、っ」
このままだと、
「でっ…戦士、出…っ」
ほんとに、
「ヤバイって、やめ」
戦士の口ン中に、
「出るって言って…レオ!」
先端をカリと噛まれて俺は我慢出来なかった。
「ふ、ぅう…あ、あっ」
歯をかみ締めて声を抑えようとしたけれど間に合わない。
聞いたことも無いような俺の嬌声が漏れた。ぼんやりした頭で考える。
俺は戦士の口のなかに、出した…
喉が上下したのが霞んだ目でもはっきりと見えた。なんで霞んでいるんだろうと考えたら、俺の目から涙が零れた。ああそっか、俺泣いたんだ…。
戦士が身体を起こした。唾液と俺の精液で汚れた口をぐいと手の甲でこすっている。つまり俺のは飲まれてしまったのか。
衝撃的すぎて思考が追いつかない。んでそんな、ヤローのものなんか飲もうと考えるのだろう。
「リュウ」
イかされた体制のまま固まっている俺を優しく戦士が抱く。頬にある涙の跡を戦士の舌が舐め取っていった。目元を何度も優しく啄ばまれて一気に気が抜ける。そんな俺をできるだけそっとベッドに寝かせてくれる戦士が憎いくらいカッコよかった。
「…きす」
「ん?」
「…してくれよ…」
自分でも何を言っているのか分からない。一瞬戦士は驚いたような顔をして、それからうっすらと笑った。「お前の味がするぞ」と言いつつ、屈んで俺の唇にそれを重ねた。戦士の口の中は苦かった。お前の味って、こういう意味か。
突然ドアが開いた。驚いて俺も戦士もそっちに顔を向けた。その時一瞬だけ、戦士の手が素早く動いた気がした。
「れったん、いるぅ?ちょっと次のGvがさぁ」
「ああばかキョウ!今入ったら…」
キョウの場違いな声色と、焦るコノハの声が重なった。中の様子も確認せずに飛び込んできたキョウとそれを追ってコノハが転がり込むように入ってくる。顔を上げた二人は目を見開いて固まった。
ベッドに寝かされた俺の上に被さっている戦士、そんでもって泣いてたことがバレバレの俺の目、乱れた服装。「最中」に飛び込んできたことがアホでも分かる。真っ当な人間なら。
「あちゃーいいとこに入っちゃったみたいだね~」
キョウが長い髪をかきあげながらニヤニヤと笑う。戦士は呆れてベッドから降りた。今気づいたが、俺の下半身にはすでにタオルケットがかけられていた。さっき戦士の腕が動いたように見えたのはこれか。
「手ぇ出さないって言ったのに!」
コノハは非難の言葉を浴びせている。「リュウに無理させるなって言ったでしょ!」
ちらと俺を見た戦士は何も言い返せないようで、ぽりぽりと頭を掻いた。
「さっき了解して出て行ったんじゃないのか」
「アンタの手は出さない発言を信じて出たのよ。なによ、もう。リュウ思いっきり泣かせてるじゃないの」
涙の跡を見られて酷く情けない気分になった。抱かれた相手に見られるだけならまだしも、女相手に見られて庇われていると穴に閉じこもりたい気分だ。
「…リュウ、俺はそんなに無理させたか」
戦士が無表情で、しかしちょっと泣きそうな顔で俺に聞いてきたのでむしろ俺のほうがいたたまれない気持ちになってしまった。
コノハには悪いが、別に俺は無理させられてない、と思う。確かに嫌だと言っても離してくれなかったが。俺はちょっとだけ首を横に振った。戦士はホッとしたように吐息を吐き、コノハは腑に落ちないといった表情をして、キョウは「へ~れったん優しくしてあげたんだあ」と依然ニヤついている。
「…話なら今行くから、広間で少し待て」
戦士は二人の背を押して無理やり部屋の外へ出した。
ため息を吐きながら俺のベッドへ戻ってくる。俺の髪を撫でながらくちづけをした。
「そういうわけだ。この先はお預けだな…まあ最も、あいつらが入ってこなくても続けられた自信はないが」
「え?」
「あんなに泣かれちゃ、な」
舐めたくらいで。そう囁かれる。俺は顔が赤くなるのが分かった。
「あ…あれくらいとか言うな、俺はあれでも必死で…」
「なら尚更」
戦士が遮った。
「無理強いはしたくない。リュウ、これは確かにゲームだ。が、俺は真剣だ。いつでも真剣のつもりだ。だから上手くいかなかったらリセットすればいい気楽なゲームのように適当なことはしたくない」
「だから俺は全力でお前を大事にする。今の俺が出来る限り…な。だからお前も全力で俺に惚れろ」
いつも思うがとんでもないことをさらりと言ってのける奴だ。「惚れろ」だなんて言うか、普通。
「しばらくキョウとミーティングだ」
俺の額に唇を押し当てながら呟く。
「それからコノハに灸を据えられることになるだろう。リュウ、少し眠るといい。シャワーを浴びたいなら浴びればいい。タオルも着替えも置いてある。少し休め」
戦士は俺の顔を覗き込むと一度くちづけて名残惜しそうな顔をしながら部屋を出て行った。
俺はしばらくぼんやりとドアを見つめたあと、ごろんと横になった。
―――俺は全力でお前を大事にする。
「くっせーセリフ…」
彼の口から聞くとそんな気がしないのは何故だろうか。気が抜けたら急に眠気が襲ってきて、俺はそのままシャワーも浴びずに眠った。
多分、次に目が覚めたときには戦士の腕の中にいるんだろう。なんとなくそんな気がした。
性描写楽しかったです、はい(笑
実はこれ、この前読み終わったハ●ポタの影響でねえ。アッ内容じゃないよ、書き方だよ!
ずっと他人の作品を読んでると自分の書き方まで似てきてしまいます。
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