「リューちゃん今度Gv出てみない?」
「へ?」
突然の誘いに俺は素っ頓狂な声を出してしまった。
ギルド同士が戦い合い互いの腕を磨くという、つまり冒険者同士の戦い。それがギルドバーサスギルド、通称Gvだ。これは攻城戦とは違ってGHの奪い合いじゃないから勝ち負けはあんまり関係ない。まあ負ければそれなりに悔しいだろうが。
「リューちゃんってウチ入ってからまだ一度もGv出てないじゃん?折角だから出ようよー一緒に戦おうよー」
「俺ってGM達みたいにレベルそんな高くないから」
「レベル関係ないよ!出たかったら出て平気だよ?」
「でも点を取られるにはレベルが低くないし」
「全然気にしないよ!ねー出ようよ!」
「そうよリュウ。私達も頑張って相手倒すから!ね?」
コノハもノリノリだ。
「俺もサポートするぞ?」
キラーも。
…どうしようか。
「いいんじゃないか、出ても」
「あら珍しいわね。レオもノリ気になるなんて」
「こいつが出るなら俺も出る」
「へっ?」
何故か戦士までその気になってきている。
そういえば、戦士と行動を共にしてからほとんど側を離れたことはない。Gvにも長らく行ってないだろう。
「嫌か?」
「ううん、嫌じゃないけど」
「けど、なに?」
「……コノハ」
「ん?」
「こいつ出していいの?」
戦士を指差すと怪訝そうな顔をした。コノハとキョウは顔を見合わせて、それから笑った。
「そうねえ。こいつ出したら相手になんないかもねー」
「れったん強いからね~あ・でも今日の相手ってホークだよ?」
「…ホーク」
戦士は嫌そうな顔をしてテーブルに肘を突いた。
「ホークって強いところなの?」
戦士の嫌そうにする意図が分からないので素直に疑問をコノハたちに聞いてみる。
「正式名称はミディクスホークって言うんだけどね。まあ強いっちゃあそれなりに強いけど。それよりもれったんの天敵がいるんだよ」
「天敵?」
天敵ってなんだ?ライバルじゃなくて?
頭の上に疑問符を浮かべているとキラーが苦笑しながら教えてくれた。
「ディーカっていう熱血男がいるんだよ」
「…熱血男?」
「そうそう。レオって、ほらこんな風にクールって言うか無口って言うかどっちかというとそういう方だろ?だから熱いタイプは苦手なんだよ」
「ふーん」
…ちょっと見てみたいとか、そんなただの好奇心も沸いて。
だって戦士の天敵とかあんまり想像つかない。かなり強いし。どんなひとなんだろう。
それにここまで誘われて断るのも何だし。
「…じゃあ出てみよう、かな」
「ホント!?」
「みんながいいなら」
「じゃあ今夜10時半、古都のギルド会館に来てね。道はレオが知ってるから」
「わかった」
「行くぞ」
戦士が突然俺の腕を掴んで立ち上がる。
「へ?行くって何処へ?まだ昼前だぞ」
「Gv用の装備見に行くだろ?普通の戦闘とは勝手が違うからちゃんと装備整えておいたほうがいいぞ。ついでに薬も多めに買っておけ」
「う、うん」
かくして俺の長い一日が始まったのだった。
久々の更新。
キャラが掴めなくなってきてる・っていうか忘れたwwwww
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