いつになく丹念に準備して。
「このマントは俺のお下がりだが使い勝手がいい。お前にやろう」
「さんきゅ」
しっかり薬も持って。
「花ももっていくといい」
「分かった」
それからこれは。
「ん…」
「…おまもりだ」
戦士なりのおまじない。
そっと唇を重ね合って。
「行こう」
「うん」
さあ、戦場へ。
「リュー!こっちこっち!」
魔方陣の中で暇そうに座り込んでいたコノハが気づいてこっちに手を振った。
時刻は10時25分。
「おはようコノハ」
「おはよ。って時間でもないけどねー。」
「ちょうど良い感じの到着だな。30分になったらそこの魔法使いが現地に飛ばしてくれるから、この魔方陣の中にいるんだぞ」
横にはキラーもいた。
4つか5つほど魔方陣の書かれている部屋の中にはたくさんの人がいた。魔方陣の中に座り込んでいる人はほとんどGvに参戦する人だという。部屋の隅には露店を開いている人もいて、薬などGvに使いそうなものがたくさん売られている。魔方陣の合間合間に、ギルド連合会の制服を着たウィザード達が杖を持って立っていた。
「あと3分なんだけど…キョウは?」
魔方陣の中にGMがいる様子は無い。
「あーいいのいいの。あいつはいっっっつもギリギリで滑り込んでくるから」
「へー。間に合わなかったりしないのか?」
「それが憎らしいことに一回も無いのよね…」
はあ、とため息を吐くコノハがおかしくて少し笑った。
「…あと1分」
「来ないな…」
滑り込みってどれくらい滑り込みなんだろ。
1分切ってるんだけど。
もう来るか?
「…あと30秒。」
「あのさ…まずいんじゃないのか?」
「ま、大丈夫でしょ」
あと15秒。
「セーーーーーッフ!」
突然魔方陣の中央を中心に風が吹いたと思ったら一人のウィザードが現れた。その音量に周りの注目を集める。
「あっと10秒か。ちょっと早かったかな?」
「いや、ギリギリじゃね?」
「この前はコイツ、あと3秒のところで現れたんだよ」
「………」
あと5秒。
不意に、俺の左手が握られる。
「…?」
左に座っているのは戦士。
騒いでいるコノハ達からは見えないように俺の手を握ってくる。
「どしたの戦士」
「いや、」
小さく笑った戦士の意図がわからず俺は首を傾げた。
「緊張してないか?」
「こんなに騒いでたら緊張も何もないだろ」
「そうか。なあ」
「なに?」
「…いや、なにかあったら無線で呼べよ」
少し迷って俺が頷いたところで、ギルド連合会のウィザードが杖を振るった。
キャラがつかめなくなってきているorz
あーゲームしたい!
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